空調気流・温度シミュレーションを3Dで体感
- 空調気流・温度を視覚化し、プレゼンテーションに効果発揮 -
2015年11月18日
三機工業株式会社(代表取締役社長:長谷川 勉)は、キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:坂田正弘)、キヤノンITソリューションズ株式会社(代表取締役社長:神森晶久)と共同で、空調気流や温度分布などのシミュレーションデータを3DCG化した映像を実際の空間上に視覚化し、目の前に空調気流や温度分布が実在するかのように体感できるシステムを構築しました。
●背景
空調設備を施工前に数値によるシミュレーションによってその効果を検証する場合、従来は、3次元の結果をディスプレイ上などの2次元表示しかできなかったため、施工後に発注者のイメージと実感が食い違うことがありました。
また、条件設定を変えて比較検討するためには、CG制作作業など、多大な時間と労力を必要としていました。
●システム概要
当社のクリーンルーム建設等で培った、高い数値シミュレーション技術に、キヤノンの現実空間に3DCGを表現する技術※1を活用することで、空調気流や温度分布を3D体感できる独自のシステムを構築しました。
また、今回構築したシステムを使用するためには、従来汎用ソフトウェアの操作方法を習得する必要があったが、専用のソフトウェアを開発することにより、汎用ソフトウェアが不要となり※2、操作方法習得に要する労力を大幅に削減し、作業効率の改善を実現しました。
シミュレーション結果 | 現実空間の映像 | ユーザから見える映像 |
●特長
- 空調気流や温度分布などを、目の前に実在するかのように体感できる。
- ユーザの動きや視線に連動し、360度の視点で体感できる。
●用途
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お客さまへのプレゼンテーション
クリーンルームの空調気流や大空間の温度分布、パッケージエアコン屋外機のショートサーキット防止など、様々な用途に適用でき、関係者との情報共有、早期合意に効果を発揮します。 -
仮想モックアップとして利用
実際の設備の試作と同等の効果を確認できるため、打合せのスピードアップとコスト削減が図れます。 -
展示会などでの表現方法の拡充
パネルで説明していたことを実際の動きを持って視覚的に訴えることができます。
●今後の展開
当社では、今後施工物件に当システムを適用し、顧客サービスや品質による差別化を図っていきます。
また、対応できるシステムを増やし、空調気流シミュレーション以外への適用をさらに進めていく予定です。
「MREAL」の原理
※1:MR(Mixed Reality)システムについて
MR(Mixed Reality:複合現実感)とは、現実世界とCGをリアルタイムに違和感なく融合させる映像情報処理技術です。MRシステム「MREAL」により、CGがあたかも目の前で現実世界に存在しているかのような臨場感を提供します。
① | HMDに内蔵された左右一対のビデオカメラによって現実世界を撮影し、その映像をコンピュータへ送ります。 |
② | 画像処理や位置検出センサー、あるいはその両方を組み合わせた位置合わせ技術により、コンピュータ内のCGと現実世界の映像を高精度に融合し、HMDに搭載された小型表示ディスプレイに表示します。 |
③ | 先進的な技術を結集した光学システムでディスプレイの映像を拡大し、臨場感のある立体映像をユーザの眼に届けます。 |
「MREAL」の主な特長
- 実物大で高精細なCGを描画し、優れた臨場感を実現
- 高精度かつ高速な位置合わせで、現実と仮想の世界を正確に融合
※2:専用ポストプロセッサ用プラグインを実用化することで、従来操作に必要であった汎用ポストプロセッサと汎用プラグインソフトウェアが不要となった。
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