リアルタイム感染症動向把握のための下水バイオマーカーセンサの開発
〜令和6年度国土交通省B-DASH(FS調査)に採択〜
2024年4月 9日
三機工業株式会社(代表取締役社長:石田 博一)は、株式会社日水コン(代表取締役社長:間山 一典)、株式会社明電舎(代表取締役執行役員社社長:井上 晃夫)、ユニアデックス株式会社(代表取締役社社長:田中 建)、株式会NSCテック(代表取締役社長:大住 英俊)、国立大学法人東北大学(総長:冨永 悌二)大学院工学研究科及び宮城県仙台市(市長:郡 和子)と共同で「令和6年度国土交通省B-DASH(FS調査)」に応募し、3月28日に採択されました。
【発表のポイント】
- 「感染症患者を追跡する下水バイオマーカーの同定」:新型コロナウイルス感染症、季節性インフルエンザ、感染性胃腸炎、RSウイルス感染症を対象として、下水中のバイオマーカーの同定に取り組みます。
- 「下水バイオマーカーのリアルタイムモニタリングセンサの開発」:下水中の感染症関連バイオマーカーを検出するためのバイオセンサの開発に取り組みます。
- 「下水情報リアルタイム共有システムの構築」:下水バイオマーカーセンサによる感染症関連の検出結果を、下水情報共有DXプラットフォーム(令和4年度 内閣府事業※により構築済み)へ即時表示することに取り組みます。
※自治体において下水情報有効活用する手法及び活用のための持続的体制に関する実証(令和4年度 内閣官房)
【本研究の概要】
現在、下水調査結果を活用した感染症動向把握が全世界で行われています。しかし、下水中のウイルス濃度は一般的にごく低濃度であり、検出の際には濃縮、遺伝子抽出及び増幅操作が必要です。そのため、感染症動向把握におけるリアルタイム性に欠けるのが現状です。本研究では、ウイルスよりも高濃度で下水中に存在する感染症関連タンパク質バイオマーカーのセンサ技術を開発し、IoT技術の融合による下水からのリアルタイム感染症情報モニタリングを実現します。
本研究で確立を目指す感染症適応社会の概念図
【各機関の役割】
各機関の主な役割は以下のとおりです。
三機工業株式会社 |
疫学データの整理、下水プロテオーム解析(下水中タンパク質網羅的同定) |
株式会社日水コン |
研究代表、疫学データの整理、下水プロテオーム解析 |
株式会社明電舎 |
下水バイオマーカーセンサ開発、リアルタイム情報共有システム開発 |
ユニアデックス株式会社 |
リアルタイム情報共有システム開発 |
株式会社NSCテック |
疫学データの整理、下水プロテオーム解析 |
国立大学法人東北大学 |
下水バイオマーカーの同定、下水バイオマーカーセンサ開発 |
宮城県仙台市 |
下水サンプル・実証実験場の提供 |
【今後の展開】
国土交通省では、これまで下水情報活用のガイドラインを作成するなど、国として下水情報の活用を推奨してきました。本研究の成果は、従来手法と比較してリアルタイム性とコスト面におけるメリットが非常に大きく、下水情報活用の定着と水平展開が期待できるものと考えています。当社を含む共同研究体は、今後も下水情報の更なる高付加価値化を目指し、様々な分野で社会解決への貢献に取り組んでまいります。
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