建築設備施工のDX化を加速
-ロボット技術を活用した多用途展開-
2024年7月 4日
三機工業株式会社(社長:石田 博一)は、建築設備工事向けに2020年に開発した自動風量計測ロボットの現場導入で得た技術ノウハウを応用し、多用途展開に着手しました。これにより施工現場における試運転調整などに係る業務の効率化をさらに推進してまいります。
■ロボット技術の導入背景
建設業が抱える課題である人材不足や労働環境改善に向け、現場施工の合理化としてロボットの活用による省力化・省人化は、課題解決に向けた重要な取り組みの一つとなっております。これまでに当社は空調設備工事の試運転調整における空調吹出し口での風量計測を自動で行う「風量計測ロボット」を開発。空調設備運用の基本となる設計風量の調整業務に搬送設備の製作・販売を主事業とする当社機械システム事業の技術を融合させることによって自動化を実現し、人の手で行ってきた計測作業をロボットが代替することで、作業工数を約75%削減することができました。
■計測ロボットの基本構成
基本構成は「自動走行ロボット(AMR)」、「通信・制御・計測ユニット」、「計測器」からなります。「施工図面」から計測ポイントの情報をAMRに設定する(図面連携)ことで、計測ポイントまでの自動走行と計測を繰り返して行うことができます。計測値は常時クラウドに転送・蓄積され、個々の計測ポイントの数値の解析、帳票作成まで自動処理されます。また、計測値はWebブラウザから確認できるため、設計者や現場管理者が同時に状況を把握することで設計施工の品質維持、向上に寄与します。
なお、この計測ロボットの基本プラットフォームを応用した「クリーンルーム向けの清浄度計測ロボット」では、竣工後・引渡し前における清浄度計測を想定した検証を行い、発塵の影響がなく高精度な計測を実現しました。
■今後の展開
さらなる多用途展開に向け、ロボットの基本プラットフォームの再整備と改良を進め、現場からニーズの高い、「照度」や「騒音」などの計測機能を追加し、さらなる業務の合理化、生産性および品質の向上を図ります。
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