三機工業株式会社

ニュースリリース

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国土交通省「令和4年度下水道革新的技術実証事業」のFS調査に採択
~下水汚泥焼却灰の低コスト肥料化技術~

2023年3月10日

 三機工業株式会社(代表取締役社長:石田博一)は、国土交通省が実施する下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)※1のFS調査(事業化調査)において、秋田県(知事:佐竹敬久)、東京都下水道局(東京都公営企業管理者下水道局長:奥山宏二)および当社の3者からなる共同研究体で「下水汚泥焼却灰の低コスト肥料化技術」を提案し、採択されました。

【背景】
 世界的な穀物需要の増加、エネルギー価格の上昇、世界情勢の変化等の影響により肥料価格が高騰している中、国内での安定供給に向けて下水汚泥の肥料利用が注目されています。現在、下水汚泥の約7割は焼却されており、その下水汚泥焼却灰には肥料成分であるリンが高濃度に含まれているものの肥料としてほとんど利用されず、セメント原料化や埋め立て処分とされています。また、従来の焼却灰肥料化技術では、肥料成分であるリンのみを抽出するため多くの薬品や電力が必要であり、維持管理費が高く普及が進んでいませんでした。

【実施内容】
 今回採択されたのは、下水汚泥の肥料利用を促進する技術を開発するため、実処理場等において調査を行う「FS調査」です。当社は下水汚泥焼却炉のメーカーであり、また焼却灰の肥料化技術である部分還元溶融法の開発を行う上で多くの知見を有していることから、「FS調査」の共同研究体に参画いたします。
 本提案技術は、下水汚泥焼却灰から有害な重金属のみ取り除く簡便な手法で、多くの薬品が不要となり、使用電力も削減されるため、低コスト・省エネルギー化を実現。維持管理費50%削減を目標としています。合わせて焼却灰は微粉状のためそのまま肥料として撒くことが出来ないため、機械撒きに適した粒状にする造粒技術についても研究いたします。
 FS調査では、下水汚泥焼却灰の重金属削減効果および維持管理費削減効果を調査し、当社は同調査および肥料の有用性の評価などをおこなってまいります。

【実施期間(予定)】
 契約締結日(令和5年5月頃)の翌日から令和6年3月31日

【今後の展開】
 当社は本FS調査で得られた知見を活かし、引き続き下水道処理施設における省エネルギー、創エネルギーおよびGX(グリーントランスフォーメーション)など付加価値の高い技術を提供し、社会課題の解決に積極的に貢献してまいります。

※1 B-DASHプロジェクト:Breakthrough by Dynamic Approach in Sewage High Technology Project
      なお、B-DASHプロジェクトは、国土交通省国土技術政策総合研究所の委託研究として実施されます。

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図 提案技術の概要

 

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