三機工業株式会社

ニュースリリース

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「AIごみクレーンシステム」をクリーンヒル天山に導入
~ごみクレーン操作の自動化により効率的・安定的な運転管理を実現~

2022年8月 3日

 三機工業株式会社(社長:石田 博一)は、ごみ焼却施設でのクレーン操作を自動運転する「AIごみクレーンシステム」を開発しました。現在、同システムは、グループ会社である三機化工建設株式会社が運営管理業務をおこなっているクリーンヒル天山(佐賀県多久市)において稼働しています。

 ごみ焼却施設では、労働者不足や運転管理のコスト削減に対応するため、自動化・省力化ニーズが高まっています。ごみ焼却施設の運営管理業務は、主にごみのクレーン操作、焼却設備運転、巡回点検などがあり、なかでもごみのクレーン操作は、ごみピットに投入されたごみを焼却炉に投入する前に、ごみの種類や高さを判断し、クレーンを用いてごみを破袋・撹拌して均一化する必要があり、その判断や操作には作業員の高い経験値が求められます。

 この度開発したAIごみクレーンシステムは、まずステレオカメラによりごみが貯留されたピット内の画像を区画化し、ごみの種類と高さをそれぞれ画像識別AIと状況判断AIによりリアルタイムに認識。ごみの投入要求や搬入扉の開閉状態を情報として与え、クレーンをどのように操作するか判断・指示します。画像識別AIについては国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同開発しました。
 当システムの導入により、作業員の作業負荷を大幅に削減し、夜間のクレーン操作を手動でおこなった場合に比べ約60%の省力化を実現。効率的でかつ安定的な運営管理を確立することができます。

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AIごみクレーンシステムの概念図

 クリーンヒル天山は、当社グループが同施設全体の建設工事と20年にわたる運営管理業務をDBO方式※1で一括受注し、2020年3月に竣工。AIごみクレーンシステムは2022年3月から稼働しています。また、同施設では、運転データや点検データ、図面や写真といった情報を一括管理するシステムや、三機工業本社と同施設の中央制御室を通信回線でつないだ遠隔管理システムを運用しており、運営管理業務のシステム化を進めることで継続的な品質管理、生産性向上につながる管理体制を構築しています。

 当社グループでは、「新たな社会価値の創造」をマテリアリティ(重要課題)の一つとしてかかげ、自動化省人化市場の拡大に取り組んでいます。また、コア事業の強化として、環境システム事業におけるLCE事業※2(ストックビジネス)を推進しており、今後も引き続き関連する技術開発および市場導入を図ってまいります。

※1 DBO(Design Build Operate):設計・建設と運営・維持管理を民間事業者に一括発注する手法

※2 LCE(Life Cycle Engineering):新築、保守・メンテナンス、リニューアル、建替えといった建築物のライフサイクル全体を通じてサービスを提供する当社グループの事業コンセプト

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article455_3.jpg自動運転中のAIごみクレーンシステム

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