中国上海市で高度省エネルギービルの竣工式を開催
―従来比40%の省エネルギー化を目指す―
2017年7月21日
NEDOと(株)安井建築設計事務所、パシフィックコンサルタンツ(株)、三機工業(株)は、中国上海市で上海高等研究院が新たに完成させた「幹細胞再生医学研究棟」を対象に日本の省エネルギー技術を設計段階から導入し、近々、高度な省エネビルを目指す実証事業を開始するに当たり、7月20日に竣工式を開催しました。
この実証事業では、同研究棟に従来型システムを適用した場合と比較して、空調や照明などの40%の省エネルギー化を目指します。
図 幹細胞再生医学研究棟の外観
1.概要
中国は、エネルギー消費量が世界第1位であることから、第13次5ヵ年計画では「生態環境の質の総体的な改善」を主要目標のひとつに掲げており、省エネルギーおよび環境に対する対策が急務となっています。また、近年の高度経済成長により大都市を中心に高層ビルディングの建設が進むとともに、第3次産業の割合の増加が進むなど、これまでの製造分野だけでなくサービス産業等の建築分野でも省エネルギーに対する意識が高まっています。
このような背景のもと、NEDOと株式会社安井建築設計事務所、パシフィックコンサルタンツ株式会社、三機工業株式会社は、上海高等研究院(中国最大の国家研究機関である中国科学院と上海市が共同で設立)が上海・浦東地区に新たに完成させた「幹細胞再生医学研究棟」(延床面積16,000㎡)に、省エネルギー・高効率化技術を実装した省エネルギー設備機器を総合的に管理運用し、最適な省エネルギー化を図るBEMS(Building Energy Management System)を導入し、近々、高度な省エネビルを目指した実証を開始するのに当たり、7月20日(現地時間)に同研究棟にて竣工式を開催しました。
「幹細胞再生医学研究棟」では、動物飼育室などの空調設備に、「24時間連続運転」や「全外気運転」などの研究施設特有の機能が要求されるため、単位面積当たりの一次エネルギー消費量※が、一般事務所ビルよりも高くなります。そこで、本実証事業では、日本の省エネルギー技術を設計段階から導入することにより、従来型システムを適用した場合と比較して空調・照明エネルギーの約40%の削減を図るとともに、高度な研究施設としての運転要件を満たしながら、一般事務所ビルとほぼ同等レベルの省エネルギー化を目指します。
今回の実証事業に導入するシステムと従来のシステムのエネルギー使用量比較
今後、2018年3月までの間、実証運転で得られる運用データを蓄積し、技術の有効性を検証します。また、NEDOは、本事業を省エネルギービルのモデルケースとし、中国各地で計画されているスマートシティ開発計画等に中国科学院と共同で参画していくことを目指して、セミナー開催等の普及活動を実施します。
2.実証の内容
今回の実証では、日本の省エネルギー分野の先進技術が、中国においても有効に稼働することを実証するだけでなく、日本のこうした省エネ分野の先進技術のショーケースとなることを目指して、(株)安井建築設計事務所、パシフィックコンサルタンツ(株)、三機工業(株)の3社がそれぞれの技術を融合した取組を実施しています。
【各社の主な取組】
3.竣工式
式典には、日本側からはNEDO土屋理事、在上海日本国総領事館 平山領事、(株)安井建築設計事務所、パシフィックコンサルタンツ(株)、三機工業(株)の副社長ら、中国側からは、中国科学院 邱・元国際合作副局長、中国科学院上海分院 瞿副院長、上海高等研究院 黄副院長ほか、多数の関係者が参加しました。
【用語解説】
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