福島県新地町におけるエネルギー自立型植物工場の実証試験
2013年3月26日
三機工業株式会社(代表取締役社長執行役員:梶浦卓一)と株式会社ふくしま和郷園(代表取締役:佐藤晴一)は、エネルギー自立型植物工場の実現をめざした実証試験を福島県新地町において実施しています。
本実証試験では、省エネルギー型イチゴ栽培技術であるクラウン加温技術 (※1)と英国Kingspan-Solar社の持つ高性能太陽熱パネルによって温熱を供給します。また、太陽光発電と特殊節電制御器によるLED電球活用の電照栽培システムを組合せ、太陽エネルギーをハイブリッドに活用したエネルギー自立型栽培技術を検証します。
再生可能エネルギーの一つである太陽熱は、そのままでは日中しか利用できませんが、植物工場での温熱利用は日没後から日の出までが需要のピークとなります。この時間差を埋めるために三機工業が開発した潜熱蓄熱システムを活用します。
これまで三機工業では、「トランスヒートコンテナ」の商品名で潜熱蓄熱システムを販売しています。今回の実証試験では新開発の技術を採用しています。
- 熱交換方式に間接接触式、潜熱蓄熱材に酢酸ナトリウム三水和物(※2)を用いることで、従来方式に比べ大幅に小型化できるとともに、熱媒体に水を用いることができるため、システムの簡略化、イニシャルコストの低減が可能です。
- 今回の実証試験は、熱源に太陽熱集熱器を組み合わせた定置型(※3)の利用方法です。
現在、施設園芸は化石エネルギーの価格高騰が経営を圧迫し、また東日本大震災の被災地ではさらにさまざまな状況の深刻化が懸念されています。今回の実証試験は、再生可能エネルギーの活用と震災復興への貢献をめざすとともに、今後の施設園芸の一つのありかたを示す試みであると考えています。
今後、三機工業株式会社と株式会社ふくしま和郷園は協力して被災地福島発の太陽エネルギー活用およびエネルギー自立型栽培システムの普及を図っていく予定です。
※1 クラウン温度制御技術:(独)九州・沖縄農業研究センター久留米研究拠点と株式会社ナチュラルステップで開発された技術で、チューブに冷水や温水を流してイチゴのクラウン(株元)だけを直接冷やしたり暖めたりする技術。
※2 酢酸ナトリウム三水和物:潜熱蓄熱材の1種で、蓄熱温度約58℃の物質。
食品添加物にも利用されている。
※3 トランスヒートコンテナは定置型と移動型があり、定置型は、廃熱回収場所と熱供給場所を同一敷地内に設置する方式。
☆本実証実験は、「新地町再生可能エネルギー活用・推進計画策定調査業務」の一環として、株式会社地域計画連合を中心とした各社協力のもとに行われています。
協力企業:うつくしまふくしま農業法人協会、Kingspan Solar(英国)、株式会社ナチュラルステップ、株式会社エコ・ジャパン、株式会社エム・ティ・エムソーラー、日本節電力開発株式会社、鍋清株式会社
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