脱炭素社会への貢献
温室効果ガス削減目標
当社グループは、温室効果ガス排出量※を最も重要な気候変動関連指標としています。長期的な目標として「SANKIカーボンニュートラル宣言」を行い、達成に向けた移行計画を中期経営計画に組み込んでいます。2024年10月には、パリ協定が定める水準と整合した目標(SBT)を認定する機関「SBTイニシアチブ」から2030年温室効果ガス排出量の「1.5℃水準目標」と2050年温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ目標」の認定を取得しました。経営ビジョン"MIRAI 2030"における移行計画は、認定取得した削減目標よりもさらに厳しいものになります。
※ 事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量を指しており、Scope1,2(自社活動による排出)とScope3(上流の調達から下流の使用・廃棄までサプライチェーン全体)に分類
三機工業グループの温室効果ガス削減目標
| スコープ | 基準年度 | 2030年 | 2050年 |
|---|---|---|---|
| Scope1,2 | 2020年度 | カーボンニュートラル※ | カーボンニュートラル |
| Scope3 | 2020年度 | 25%削減 | カーボンニュートラル |
※削減内訳は、70%削減+吸収事業支援によるクレジット活用30%
カーボンニュートラルに向けたロードマップ
当社グループは、「SANKIカーボンニュートラル宣言」においてScope1,2は2030年、Scope1,2,3は2050年のカーボンニュートラル達成を掲げています 具体的には、2030年までにScope1,2の排出量を70%削減(2020年度比)し、残りの30%は吸収事業支援(クレジット活用)によって削減することで、Scope1,2のカーボンニュートラル実現を目指しています。さらに、Scope3については2030年までに25%削減(2020年度比)を目標として掲げています。
主な削減の取り組みとして、Scope1,2では「省エネルギー」「再生可能エネルギー」の2つを主軸に進め、Scope3では、より排出量の少ない設備・製品の提案を推進する「SANKI YOUエコ貢献ポイント」制度を強化しており、2030年に納入設備製品の排出削減量21%増(対2021~2023年度平均)目標を掲げて取り組んでいます。
三機工業の温室効果ガス排出量と2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ

Scope1,2削減
工場やオフィス、施工現場など、あらゆる事業活動の場において効果的な施設運用と省エネルギー活動を通じて、継続的に排出量削減に取り組んでいます。自社施設である三機テクノセンターおよび大和プロダクトセンターには自社技術を含めた省エネルギーシステムを複数導入し、エネルギー使用削減に努めるとともに、太陽光発電設備を導入しています。2024年度も他拠点において使用電力の再エネ契約を進めるなどの取り組みにより、2024年度の当社グループのScope1,2合計排出量は2020年度比41%減を達成しました。引き続き、省エネルギーを推進するほか、各支社・支店や拠点の使用エネルギーの再生可能エネルギー化の強化を検討していきます。
大和地区太陽光発電PPA事業
当社施設に導入している省エネシステム
- 三機テクノセンター
- 熱源リアルタイム最適化システム「EcoSearcher®」/当社技術
- オフィス向けスマート空調システム「selFort®」/当社技術
- 大和プロダクトセンター
- 大空間向け温度成層空調「ペリループ」/当社技術
- ソーラー発電パネル
エネルギー使用量
(単位:MWh)
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
|---|---|---|---|
| エネルギー使用量 | 27,254 | 24,383 | 25,329 |
*対象範囲:三機工業グループ
*第三者機関による保証を受けています。
● クレジット調達による温室効果ガス吸収活動への支援
当社は2025年7月、カーボンニュートラル実現に寄与する地域林業支援のため、北海道陸別町と(株)バイウィルの3者で森林J-クレジット※に関する連携協定を締結しました。当社は、陸別町の森林J-クレジットを8年間購入することで、長期的な地域林業の支援を行っていきます。
今後も、「SANKI カーボンニュートラル宣言」にもとづき、自らの努力により可能な限り温室効果ガス排出量を削減した上で、2030年Scope1,2カーボンニュートラルを達成するためにカーボンクレジットの活用を予定しています。
※J-クレジット:省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用等、事業者による脱炭素活動により得られたCO₂等の温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証し、他社に売却・譲渡可能としたもの

締結式の様子
事業活動に関連する排出量削減の取り組み(Scope3)
当社グループのScope3 排出量のうち、カテゴリ11が約8割と大部分を占めています。このため、当社が提供する省エネルギー・創エネルギー設備・製品の排出量となるカテゴリ11の削減、すなわちお客さまの温室効果ガス削減を目指しています。設備の企画・設計から施工後の運転管理、建替え等まで、ライフサイクル全体を通じた環境負荷の低減やバイオマス発電設備などの創エネルギー設備の提供により、脱炭素社会への移行に貢献しています。また、事業活動を通じた環境保全活動を推進するため、気候変動対策をはじめとした環境保全関連の研究開発にも注力しています。特に、脱炭素化に向けた省エネルギー技術の導入需要が高まっていることから、技術開発に関する投資や人財の確保・確保を積極的に進めています。
なお、2024 年度のScope3 排出量は2020 年度比52% 減であり、2030年目標を超える進捗となっています。
環境保全関連の研究開発費の推移

森ヶ崎水再生センター消化ガス発電事業
SANKI YOUエコ貢献ポイント制度
当社グループは、お客さまにCO₂削減につながる提案を行い、採用された場合はその削減量をエコ貢献ポイントに換算して、環境保全活動を支援する「SANKI YOUエコ貢献ポイント」制度を運用しています。2024年度の受注(連結)は311件で、67,556トンのCO₂削減量となりました。また、累計年間CO₂削減量は約43万トン、環境保全活動として累計約35,000本の植樹を行っています。
CO₂削減提案と実績
(CO₂削減単位:t-CO₂)
| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 件数 | CO₂削減 | 件数 | CO₂削減 | 件数 | CO₂削減 | |
| 提案 | ||||||
| 連結 | 460 | 86,848 | 332 | 63,016 | 460 | 86,848 |
| 単体 | 424 | 60,144 | 267 | 39,730 | 424 | 60,144 |
| 受注 | ||||||
| 連結 | 322 | 50,382 | 278 | 44,428 | 311 | 67,556 |
| 単体 | 294 | 24,533 | 224 | 22,241 | 257 | 40,187 |
※集計方法の見直しにより、2022、2023年度の数値を遡及修正しています
社会の発展と環境との調和を目指す、「SANKI YOUエコ貢献ポイント」のシンボルマーク。
ECO2: エコ(Ecology)に貢献(Contribution)することによって、CO₂を削減します。

CDP2024気候変動において「Aリスト」に選定
当社グループは、環境にまつわる情報開示・評価を行う国際的な非営利団体CDPから、気候変動分野における最高評価である「Aリスト」企業に2022年度より3年連続で選定されています。
今後も、目標に沿った温室効果ガス排出量削減を行い、環境負荷低減の取り組みを加速させていきます。
CDP
温室効果ガス排出量データ
左右にスクロールできます
| 区分 | 排出量(t-CO₂) | 増減率(%) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 基準年度 2020年度 |
実績 | 対基準年度 | 対前年度 | |||||
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |||||
| Scope1,2 | 9,382 | 9,292 | 6,455 | 5,504 | 5,516 | ▲41 | +0.2 | |
| Scope1 | 所有または支配する事業からの直接排出量 | 2,956 | 3,146 | 2,829 | 2,521 | 2,587 | ▲12 | +3 |
| Scope2 | 購入した電気・熱の使用に伴う間接排出量 | 6,426 | 6,146 | 3,626 | 2,983 | 2,929 | ▲54 | ▲2 |
| Scope3 | 6,395,143 | 5,230,828 | 4,001,444 | 4,076,450 | 3,082,223 | ▲52 | ▲24 | |
| カテゴリ1 | 購⼊した製品・サービス | 349,779 | 351,192 | 362,454 | 474,682 | 497,693 | ||
| カテゴリ2 | 資本財 | 7,419 | 5,518 | 7,763 | 5,771 | 4,950 | ||
| カテゴリ3 | Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動 | 1,642 | 1,653 | 1,587 | 1,351 | 1,539 | ||
| カテゴリ4 | 輸送、配送(上流) | 819 | 1,123 | 846 | 1,016 | 1,354 | ||
| カテゴリ5 | 事業から出る廃棄物 | 1,506 | 1,771 | 1,891 | 1,884 | 1,785 | ||
| カテゴリ6 | 出張 | 388 | 401 | 402 | 421 | 421 | ||
| カテゴリ7 | 雇⽤者の通勤 | 688 | 1,006 | 1,000 | 968 | 865 | ||
| カテゴリ11 | 販売した製品の使⽤ | 6,027,209 | 4,862,448 | 3,621,085 | 3,584,779 | 2,568,384 | ||
| カテゴリ12 | 販売した製品の廃棄 | 1,500 | 1,394 | 1,565 | 2,115 | 2,160 | ||
| カテゴリ13 | リース資産(下流) | 4,193 | 4,322 | 2,851 | 3,463 | 3,072 | ||
| 合計 | 6,404,525 | 5,240,120 | 4,007,899 | 4,081,954 | 3,087,739 | ▲52 | ▲24 | |
(注釈)
*対象範囲:三機工業グループ
*カテゴリ8~10、14~15は該当なし