技術開発
変風量クリーンルーム加湿システムの開発
~クリーンルーム冷熱源を年間10%、外調機温熱源を冬期最大50%削減~
2026年10月13日
三機工業株式会社(社長:名古屋 和宏)は、クリーンルームの性能維持とさらなるコスト低減を実現するため、気化式加湿器を採用した変風量クリーンルーム加湿システムを開発しました。さらに性能検証を目的としてクリーンルーム加湿試験モックアップを三機大和ビル(神奈川県大和市)内に構築しています。
■開発の背景
当社では、2005年よりクリーンルーム向け加湿システムの開発を継続的に行い複数の方式を実用化し、実際の施設への導入を進めてきました。省エネルギー・省コストの観点から外調機での加湿量低減を図るべく、室内加湿方式での多様なソリューションを提供してきました。
室内加湿方式としてこのたび新たに変風量クリーンルーム加湿システムを開発し、本システムはすでに実際の施設でも採用しています。構築したモックアップを活用し、本システムのさらなる性能向上を目指した技術開発を推進してまいります。
変風量クリーンルーム加湿システム概要図(左:モーターダンパー方式、右:送風機インバータ方式)
■主な特長
1.変風量制御で湿度制御精度向上
室内の湿度に合わせて加湿器を通過する風量を変更することで通常のオン/オフ制御に比べて精度が向上します。ラインナップとしてはモーターダンパーもしくは送風機をインバータで風量制御する方式があります。
変風量クリーンルーム加湿システム(左:モーターダンパー方式、右:送風機インバータ方式)
2.省エネルギー効果
(クリーンルーム空調用冷熱源:年間10%減、外調機温熱源:冬期最大50%減)
気化式加湿器を通過する空気は、水の気化に伴い加湿されると同時に冷却されます。この蒸発冷却効果を空調システムに活用することで、ドライコイルの負荷を低減し、クリーンルーム空調用冷熱源のエネルギー消費を年間10%削減できます。
さらに、加湿をクリーンルーム内の必要な場所で必要な量だけ行うことで、クリーンルーム用外調機における加湿負荷を低減できます。これにより、冬期に低温の外気を加湿するために必要となる昇温量が減少し、その一部を生産装置から発生する廃熱で賄うことが可能になります。その結果、外調機で使用する温熱源エネルギーを冬期において最大50%削減できます。
3.DOUP®・BroDOUP®にも適用可能
本システムは、従来のボールルーム型クリーンルームだけではなく、当社の固有技術である産業用クリーンルーム向け省エネシステム(DOUP®)、広範囲対応温度成層型クリーンルーム(BroDOUP®)にも適用可能です。モックアップではBroDOUP®-FL(床置き型)に本システムを実装しています。
実装例(BroDOUP®-FL(床置き型))
■今後の展望
当社は、本システムをはじめとする加湿システムのさらなる性能向上と適用範囲の拡大に努めるとともに、省エネルギー化に貢献するクリーンルーム向け加湿システムの開発と営業展開を推進してまいります。