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クリーンルーム向け広範囲対応温度成層型BroDOUP™(ブロードアップ)を開発
~DOUP®の適用範囲を大幅に拡張し、大規模クリーンルームにも対応可能に~

2025年6月18日

 三機工業株式会社(社長:石田 博一)は、総合研修・研究施設「三機テクノセンター」内において、既に市場導入しているクリーンルーム向け空調システム「DOUP®」の適用範囲を広げ、大規模クリーンルームにも対応可能とした、広範囲対応温度成層型BroDOUP(ブロードアップ)を開発しました。

■開発概要
 広範囲対応温度成層型BroDOUP(以下BroDOUP)では、クリーンユニットの配置にバリエーションを持たせ、天吊り型と床置き型を考案しました。

 

BroDOUP-CE(天吊り型): クリーンユニット(ドライコイルとファンフィルタユニット)をクリーンルーム内天井から吊るシステムです。下向きに冷風を吹き、コアンダ効果(気流が床面に引き寄せられるように流れる効果)によって床面を水平方向に流動させることで、広範囲に温度成層型のクリーンエリアを構築します。クリーンユニット下部を含め、クリーンルーム利用面積を大きくとれることがメリットです。

 

BroDOUP-FL(床置き型): クリーンユニットを床置きで設置し、ユニットから下向きに冷風を吹き出します。天吊り型同様にコアンダ効果によって床面を水平方向に流動させることで、広範囲に温度成層型のクリーンルームを構築します。ドライコイルと冷水配管が生産装置から離隔されることで生産装置の水濡れリスクを低減し、床置き型のため施工が容易となることがメリットです。

 

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BroDOUP-CE(天吊り型)

 

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BroDOUP-FL(床置き型)

■特長

1.

冷水製造エネルギーの低減: BroDOUPでは、クリーンルーム上部の高温空気を冷却し、設計温度に近い20℃程度の給気が可能です。これにより、冷水の温度を15℃程度まで上げることができ、冷凍機を効率よく運転することが可能となります。排熱回収などの省エネ手法との相乗効果が高まり、低温(6℃)単一熱源方式と比較して年間の冷熱源動力を大幅に低減できます。

2.

柔軟なレイアウト変更対応: BroDOUPでは、クリーンルームエリアからある程度の距離を離してクリーンユニットを設置するため、生産装置のレイアウト変更に影響を受けず、柔軟に対応が可能です。

3.

換気回数の低減: BroDOUPでは、室内の低い高さで温度がやや低く清浄化した空気を供給し、温度成層を形成します。これにより清浄化した空気を効率的に利用することができるため、換気回数の低減が可能となります。


■今後の展開

 本開発に関して、既に関連特許を6件取得しております。今後は、本施設を活用してクリーンルーム関連の開発をさらに推進するとともに、クリーンルームの新しい省エネ技術を積極的に営業展開してまいります。

 

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構築したクリーン環境試験室(左:天吊り型、右:床置き型)

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