省エネ型水処理装置MABRの独占販売契約を締結
2024年1月25日
三機工業株式会社(社長:石田 博一)は、DuPont社(本社 アメリカ合衆国)のグループ会社であるOxyMem社(本社 アイルランド共和国)と、水処理装置MABR※1について、日本の公共下水市場における独占販売契約を締結しました。
【背景】
自治体が所有・管理する施設のうち、電力消費量の高い施設の1つが下水処理施設と言われており、2050年カーボンニュートラルの実現に向けてさらなる省エネルギー化が必要です。また、国内の下水処理施設では、施設統廃合などによる既存施設の能力増強が求められるケースも増えてきております。
当社は、省エネルギー性や処理能力に優れた新たな排水処理法として、2017年からMABRの研究を進めてきました。今回、OxyMem社と独占販売契約を締結する運びとなりました。
【製品の特長と導入効果】
MABRは中空糸膜を束ねたモジュールです。中空糸膜の外側表面に生物膜を形成させ、生物膜に直接酸素を供給することで、有機物処理、硝化脱窒処理します。
曝気などが不要で、酸素供給に必要な送風電力を大幅に削減するため省エネルギー効果が高く、中空糸膜に微生物が定着することで生物保持能力が高く、高速で処理します。既設の反応タンクに設置することもできるため、簡単な改修で処理能力を増強することが可能です。
図 MABRモジュール
【今後の展開】
当社では、新中期経営計画“Century2025”Phase3において、脱炭素社会実現に向けた新技術開発の促進を施策の1つに掲げており、省エネルギー効果の高いガス透過膜を使った新技術の研究に取り組んでいます。最近では、水素供給MBfR※2によるバイオメタネーションの共同研究もはじまっています。(12月26日プレスリリース「第60回環境工学研究フォーラムで「環境技術・プロジェクト賞」を受賞」参照)。
今後は本製品の販売拡大を通して、脱炭素などの社会課題解決への貢献に取り組んでまいります。
既設反応タンクへのMABRの設置(海外事例)
出典:OxyMem社ホームページより
※1 MABR(Membrane Aerated Biofilm Reactor)
ガス透過膜を微生物担持体かつ酸素供給体とした生物膜反応器。
※2 MBfR (Membrane Biofilm Reactor)
ガス透過膜の片側に生物膜を担持して、逆側から生物反応に用いる気体を供給する技術。
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