TCFD提言に基づく情報開示
三機工業グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、提言に基づく気候関連情報の開示を実施しています。
当社グループは、サステナビリティ経営を実現するために特定した5つのマテリアリティ(重要課題)の中でも「脱炭素社会への貢献」を最優先課題と位置づけ、リスクと機会の両面から気候変動問題に取り組んでいます。リスクと機会については、リスク管理委員会気候変動リスク担当部署において、シナリオ分析を実施し、その影響度を評価しています。
また、環境にまつわる情報開示・評価を行う国際的な非営利団体CDPから、気候変動分野における最高評価である「Aリスト」企業に2022年度より3年連続で選定されています。
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
ガバナンス
当社グループは、サステナビリティ課題全般について対応するため、代表取締役社長を委員長とし常勤取締役をメンバーとするサステナビリティ委員会を設置しています。
サステナビリティ委員会では、サステナビリティ経営を実現するための重要課題・施策を審議・決定しています。委員会の審議・決定内容については、経営会議、取締役会に報告され、監督を受けています。また、事業・経営戦略への影響が大きい課題については、重要性に応じて経営会議、取締役会へ付議され、決定・承認されています。
委員会の下部組織として設けた各部門の実務担当者からなるサステナビリティ推進会議では、委員会の審議・決定事項のグループ全体への周知や具体的なサステナビリティ推進活動の討議・推進や進捗確認を行っています。
サステナビリティ推進体制
リスク管理
当社グループは、事業運営におけるリスクを把握し、リスクの顕在化を未然に防止するとともに、顕在化した場合の損失を極小化することを目的に、「リスク管理委員会」を設置しています。
リスク管理委員会では、当社グループの事業に影響を与えるリスクを洗い出し、影響度や頻度等を可能な限り定量的に評価し、優先順位や担当部署および対応方針、コントロールの内容を定め、具体的な対応策の進捗・効果のモニタリングとレビューを行っています。委員会の審議・決定内容については、重要度に応じてサステナビリティ委員会、経営会議、取締役会に付議され、決定・承認後、グループ全体へ展開されています。
気候変動関連リスクおよび機会については、サステナビリティ委員会で影響度評価を行うとともに「リスク管理委員会」および「サステナビリティ推進会議」と連携し対応策の進捗等を管理しております。
戦略
気候変動が事業に与える中・長期的なインパクトを把握するためにシナリオ分析を実施し、抽出したリスクと機会については、経営ビジョン"MIRAI 2030"及び「中期経営計画2027」に盛り込み、経営計画と一体化させて取組みを進めています。
シナリオ分析・財務インパクト評価
分析においては、2100年時点において産業革命時に比べ世界の平均気温上昇が1.5℃以下に抑制されることを想定した1.5℃シナリオと、4℃程度上昇する4℃シナリオを採用し、各シナリオにおいて政策や市場動向の変化による移行リスクと、災害などによる物理的リスクを推測しました。
各シナリオに対して当社グループに対するリスク・機会を特定し、財務インパクトを評価して、その影響度を大・中・小の3段階で表現しています。
| 採用シナリオ | 参照シナリオ | |
|---|---|---|
| 1.5℃シナリオ | 気候変動に対する厳しい対策が取られて全世界で2050年のネットゼロが実現し、2100年時点において産業革命時に比べ気温上昇が1.5℃以下に抑制されるシナリオ |
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| 4℃シナリオ | 気候変動に対する厳格な対策が取られず、2100年時点において産業革命時に比べ4℃程度気温が上昇するシナリオ |
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- 国際エネルギー機関(International Energy Agency)の略称。エネルギー安全保障の確保を目標に掲げるOECD(経済協力開発機構)の下部の国際機関であり、エネルギー政策全般をカバーしている。
- 気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)の略称で、気候変化、影響、適応および緩和方策に関し、包括的な評価を行うことを目的として、1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立された組織。
リスクと機会



指標と目標
当社グループは、温室効果ガス排出量を最も重要な気候変動関連指標としています。「SANKIカーボンニュートラル宣言」にあるとおり、Scope1,2 においては2030年、Scope1,2,3 においては2050年のカーボンニュートラル達成を長期目標としています。また、経営ビジョン"MIRAI 2030"においては、2030年にScope3の25%削減(2020年度比)を掲げて「脱炭素社会への貢献」を推進しています。
当社グループではカーボンニュートラル達成に向けさまざまな脱炭素施策を計画・実施しており、2024年度における進捗は、基準年度(2020年度)に対してScope1,2で4割程度削減、Scope3で5割程度削減と、計画通り順調に削減を進めています。
- SANKIカーボンニュートラル宣言 -
三機工業グループは、世界が直面する気候変動問題に真摯に取り組み、
グループ自らの温室効果ガス排出量(Scope1,2)においては2030年までに、
サプライチェーンを含む温室効果ガス排出量(Scope1,2,3)においては2050年までに
カーボンニュートラルを目指します。
三機工業グループの温室効果ガス削減目標
| スコープ | 基準年度 | 2024年度実績 | 2030年 | 2050年 |
|---|---|---|---|---|
| Scope1,2 | 2020年度 | 41%削減 | カーボンニュートラル※ | カーボンニュートラル |
| Scope3 | 2020年度 | 52%削減 | 25%削減 | カーボンニュートラル |
| SANKI YOUエコ貢献ポイントによる削減量 | 2021~2023年度平均 | 毎年度3%増加 | ||
※削減内訳は、70%削減+吸収事業支援によるクレジット割当30%