日本下水道事業団の海外向け技術確認証を取得
~タイ王国における下水処理を通じた社会課題への貢献に向けて~
2022年3月29日
三機工業株式会社(社長:石田 博一)は、「DHS法を用いたエネルギー最小型下水処理ユニット」について、日本下水道事業団が実施する海外向け技術確認に申請し、第2号となる技術確認証を取得しました。
タイ王国では、下水処理の適正化を加速させるために、下水道整備計画にて2037年までに約780か所の下水処理場を建設予定であり、短期間で設置ができ、消費電力が少ない、運転管理が容易な技術が求められています。
当社のDHS法を用いた下水処理技術は、東南アジアなど温暖な地域向けに開発した技術であり、タイ王国のコンケン市内の下水処理場における実証実験※1およびバンコク市内の実証実験※2の実験結果により、技術の妥当性等が確認され技術確認証の取得に至りました。
当社は今後、日本下水道事業団および国土交通省の支援のもと、本技術をタイ王国に限らず、東南アジアにおける下水処理未普及地域への普及展開をはかることにより、海外においても中長期的な社会課題に対しエンジニアリングで貢献してまいります。
※1 国土交通省の下水道技術海外実証事業WOW TO JAPANプロジェクト(Wonder Of Wastewater Technology Of JAPANプロジェクト)においてNJSコンサルタンツ(現NJS)、東北大学、長岡技術科学大学に当社を含めた4者でコンケン市およびコンケン大学の協力を得て実施
※2 国立研究開発法人国立環境研究所よりデータ提供
コンケン市に建設した実証プラント
■本技術の特徴
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温暖な地域向け
生物処理を行うため、特に温暖な地域で高い処理性能を発揮します。 -
短期間で設置
鋼板製のユニットタイプのため、短期間での設置が可能です。 -
消費電力が少ない
生物への酸素供給は、水の自然流下により行われるため曝気装置が不要となり、OD法※3と比べ消費電力を1/2以下と大きく削減できます。 -
運転管理が容易
DHSは上部より汚水を散水するだけで良好な水質が得られるため、オペレーションが容易です。ポンプやファンといった汎用的な機器によるシステムであり、メンテナンスが容易です。 -
省スペース
OD法の1/3以下のスペースで設置が可能です。 -
安定した処理水質
汚水は担体として使用したスポンジに均等に浸透します。処理時間を確保できるため、安定した処理水が得られます。 -
低い汚泥発生率
汚泥は担体として使用したスポンジ内部に高濃度に保持されるため、汚泥の滞留時間が長くなり、自己分解等により汚泥発生率が少なくなります。
※3 オキシデーションディッチ法の略。国内小規模下水処理場で一般的に用いられている活性汚泥法の一つ。
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