三機工業人に快適を。地球に最適を。

Vol.3

「ハンドボール」座談会

ハンドボールをメジャースポーツに
快適な競技施設づくりで支援

岡田彩愛さん 長谷川勉 藤坂尚輝さん

岡田彩愛さん
ハンドボール女子日本代表「おりひめジャパン」
長谷川勉
三機工業会長
藤坂尚輝さん
ハンドボール男子日本代表「彗星JAPAN」

(写真左から)
岡田彩愛さん ハンドボール女子日本代表「おりひめジャパン」
長谷川勉 三機工業会長
藤坂尚輝さん ハンドボール男子日本代表「彗星JAPAN」

総合エンジニアリング企業の三機工業は、4月に創立100周年を迎えた。シリーズ企画「人に快適を。地球に最適を。」Vol.3は、日本ハンドボール協会のゴールドパートナーとして支援活動を行う同社の長谷川勉会長と、ハンドボール日本代表の藤坂尚輝さん、岡田彩愛さんの座談会。三機工業がハンドボールを支援する背景、事業との関わりなどを紹介する。

協会のゴールドパートナー
サステナビリティー経営の一環

――ハンドボールを始めたきっかけを教えてください。

「大同特殊鋼 Phenix TOKAI」 ロゴ
「大同特殊鋼 Phenix TOKAI」 ロゴ

父がハンドボールの実業団の選手だったこともあり、兄2人が地元(福井県鯖江市)のジュニアチームでハンドボールしていて、僕も始めました。今は「リーグH」の「大同特殊鋼PhenixTOKAI(フェニックス東海)」に所属しています。「リーグH」は約50年続いていた日本リーグを刷新し、2024-25シーズンに始まったハンドボールの国内最高峰のリーグです。男子15チーム、女子11チームがあります。

「大同特殊鋼 Phenix TOKAI」 ロゴ
「大同特殊鋼 Phenix TOKAI」 ロゴ

「香川銀行GiraSol kagawa」 ロゴ
「香川銀行GiraSol kagawa」 ロゴ

私の出身地、山口県はハンドボールが盛んで、小学校2年生のとき幼なじみに誘われて地元のジュニアチームに入りました。今は「リーグH」の「香川銀行GiraSol kagawa(シラソル香川)」に所属しています。

「香川銀行GiraSol kagawa」 ロゴ
「香川銀行GiraSol kagawa」 ロゴ

――三機工業は、なぜ日本ハンドボール協会のゴールドパートナーになったのですか。

企業は社会の一員です。環境・社会・経済の3つの観点で持続可能な社会の実現に貢献しつつ、企業として成長していくサステナビリティー経営の視点は欠かせません。その一環として行っているのが、文化やスポーツの振興と活性化支援です。文化では、交響楽団やミュージカル公演への協賛などを行っています。スポーツでは、女子サッカーチームやデフラグビーなどへの支援とともに、2018年から日本ハンドボール協会のゴールドパートナーとして支援活動を始めました。

長谷川勉 三機工業会長
長谷川勉 
三機工業会長

私は高校生のとき、「部員が足りないから」と誘われハンドボール部に所属していました。高校の3年間だけでしたが、寝ているときにもプレーのことを考えてしまうほどのめり込みました。社会人になってからは、政財界に属するハンドボール経験者で構成される「界友会」に加入し、個人的にも応援しています。

代々木競技場の空調・衛生設備を担当
プレーに集中できる快適環境つくる

――総合エンジニアリング企業として、三機工業はスポーツ施設でどのような実績がありますか。

ドーム球場の電気設備、競泳プールの空調衛生や照明、アイススケートリンクの冷凍設備、学校の体育館の設備など様々な施工実績があります。1964年東京開催の世界的スポーツ大会に向けて建設された国立代々木競技場も空調・衛生設備の工事を担当しました。当時は、国立屋内総合競技場という名称だったんですよ。同競技場は、日本を代表する建築家・丹下健三氏が設計した「吊り屋根構造」で当時ほとんど例を見ない方式、柱の無い空間です。これほど大きな空間を空調することは日本で初めての試みでした。施工を担った当社のエンジニアたちは机上で計算するだけでなく、模型を作成して気流や温度分布の調査・試験を繰り返し、設備の設計をしたと聞いています。

国立代々木競技場
国立代々木競技場

東京ドーム
東京ドーム(開業当時)

埼玉スタジアム2002
埼玉スタジアム2002

スポーツ施設の施工実績/(左から)国立代々木競技場、東京ドーム(開業当時)、埼玉スタジアム2002

代々木競技場の第一体育館は当初、水泳競技場として建設されたこともあり冷房設備がなく、2000年に設備を増設。その後2020年に開催予定だった世界的スポーツ大会に向けても、大規模な改修工事を行いました。設備の老朽化に加え、省エネルギーやバリアフリー化に対応するため、当社は空調設備と電気設備工事を担当しました。

――選手にとって、競技場で気になるのはどんな点ですか。

藤坂尚輝さん ハンドボール日本代表/「大同特殊鋼 Phenix TOKAI」所属
藤坂尚輝さん
 ハンドボール日本代表/「大同特殊鋼 Phenix TOKAI」所属

快適な空調や照明は、プレー中の集中力を保つ上で本当に大切です。パスが照明にかかって見えづらくなり、プレーに影響することもあるんですよ。6月の「リーグH」のプレーオフは、代々木競技場の第一体育館で行われたのですが、僕自身100%のプレーができたと思います。こうした快適な環境を、三機工業さんのような会社が裏で支えてくださっているんですね。ありがとうございます。

藤坂尚輝さん ハンドボール日本代表/「大同特殊鋼 Phenix TOKAI」所属
藤坂尚輝さん ハンドボール日本代表/「大同特殊鋼 Phenix TOKAI」所属

岡田彩愛さん ハンドボール日本代表/「香川銀行GiraSol kagawa」所属
岡田彩愛さん 
ハンドボール日本代表/「香川銀行GiraSol kagawa」所属

私も先日のプレーオフで初めて代々木体育館でプレーしたのですが、観客席も多く広い会場なのに快適な空間で、よいパフォーマンスが発揮できました。会場によっては、照明や温度、湿度が気になり、プレーしにくいこともあるのですが、代々木体育館の環境は快適です。コートだけでなく、更衣室や化粧室など、衛生面の環境も整っています。だから試合の前のウオーミングアップにも取り組みやすいんです。

岡田彩愛さん ハンドボール日本代表/「香川銀行GiraSol kagawa」所属
岡田彩愛さん ハンドボール日本代表/「香川銀行GiraSol kagawa」所属

海外や地方では空調設備が十分ではない体育館もまだ多いのが現状です。僕たちも中学や高校のときは空調が効かない中、熱中症になるんじゃないかという環境でプレーしていました。ハンドボールに限らず屋内設備で競技する未来のアスリートを育てる上でも、体育館などの空調を整えることは大事ですね。

三機工業は、オフィスビルや病院、ホテルなどの空調も手掛けていますが、競技場の難しさは大空間という点。バドミントンや卓球、新体操のリボンのように風の影響を受けやすい競技もあります。競技者だけでなく観客の快適さも考慮しなくてはなりません。競技場全体を快適に空調することはとても難しいんです。快適空間とは不快でない空間、つまり快適さを意識させることなく競技に集中できる環境のことです。当社が得意とする空調の技術を生かして、より良い競技環境づくりに貢献していきたいですね。

藤坂選手/日韓定期戦2025 ©JHA/Yukihito Taguchi
藤坂選手/日韓定期戦2025 
©JHA/Yukihito Taguchi

岡田選手/IHFオリンピック女子世界最終予選 イギリス戦 ©JHA/Yukihito Taguchi
岡田選手/IHFオリンピック女子世界最終予選 イギリス戦 
©JHA/Yukihito Taguchi

テンポの良さと激しいぶつかり合い
シュートのテクニックにも注目

――ハンドボールの魅力、見どころを教えてください。

男子と女子とではスピード感が違うのですが、女子の魅力は連携したプレーだと思います。攻めも守りも、一人ではなくチームで連携する点です。この辺りに注目してゲームを見ると、面白さを感じていただけると思います。

まずは、スピーディーな展開。次に、ハンドボールは正面からの接触が許されているので、ルールの範囲内での激しいぶつかり合いも魅力です。さらに、スピンシュートなど技術的な面で、ほかの競技にはない面白さがあります。スピンシュートは、ボールが1度ゴールの枠から外れるのですが、手首で回転をかけているのでバウンドしたときにスピンしてゴールに入っていくんです。

ハンドボールは全員攻撃、全員守備で非常にテンポがいい。1分に1点入るくらいのイメージです。学校の体育の授業で経験するのでハンドボールのことを知っている人は多いのですが、シュートのテクニックなどを知ってもらえれば、もっと面白さが分かってもらえると思っています。

岡田彩愛さん 長谷川勉 藤坂尚輝さん

2028年ロスでの大会出場めざす
「憧れるのはやめましょう」

――日経電子版読者へのメッセージをお願いします。

女子代表「おりひめジャパン」は、昨年のアジア選手権でライバルの韓国に勝利して優勝しました。アジアでの地位を固めつつ、ノルウェーやフランスなど世界の強豪国と戦えるチームを目指しています。今はまだマイナースポーツですが、少しでも多くの人にファンになってもらえるよう、選手として頑張ります。まずは、2028年にロサンゼルスで行われる世界的スポーツ大会への出場を決めたいですね。

男子代表「彗星JAPAN」も、同大会への出場権を獲得することを第一目標に掲げています。東京とパリの2大会は予選敗退でした。ロスではその壁を破りたい。試合終盤の大事な場面で世界トップレベルとの差があると感じているので、勝負どころの強さを身につけたいですね。三機工業さんには、ハンドボールをメジャーにしていくために、引き続き力を貸していただけるとうれしいです。

日本のハンドボールの実力は上がってきています。海外遠征も増えていますが、有名選手に憧れているうちは勝てません。「憧れるのはやめましょう」(笑)。

次の100年も、カイテキをカタチに。

三機工業は4月に創立100周年を迎えました。次の100年に向け、経営理念「エンジニアリングをつうじて快適環境を創造し広く社会の発展に貢献する」の下、「人に快適を。地球に最適を。」というコーポレートメッセージで事業を展開しています。様々なステークホルダー(利害関係者)とコミュニケーションを図り、サステナブルな社会の実現に貢献しながら、成長していきたいと考えています。最近では、代々木競技場を世界遺産にしようという動きもあり、当社も後援しています。未来のアスリートの皆さんにもこの快適な施設を残していく一助になれればと思います。ハンドボールを含め国内のスポーツ支援も継続していきたいです。