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コラム・トピックス
vol.16 2026.04.24
空調制御システムとは?省エネとコスト削減を実現する機能と選び方
コラム
データセンター

オフィスやビル管理において、空調は快適な環境を作り出し、そこで働く人々の業務や各種作業、施設利用者の気持ちよい利用などを促進します。そのため、空調は臨機応変にコントロールする必要があり、効率的な管理・運用に重要になってくるのが制御システムです。

今回は、空調制御システムの概要から機能、導入メリット、空調制御システムと中央監視システムとを連携することの重要性、空調制御システム選定・導入の成功ポイントまで解説します。

空調制御システムとは?

空調制御システムとは、空調を遠隔から一元的に制御し、室内環境を快適に保つためのシステムです。

空調は、温度・湿度・空気清浄・気流の調整などを行うことができる設備ですが、それらの機能のオン・オフをただ切り替えるだけでは、常時快適な環境を作り出せるとは限りません。例えば大規模なビルであれば、天候や気温、各階のフロアの人数などによって空気環境が変わります。

空調制御システムを用いれば、センサーで実際の環境の温度や湿度などを計測し、その計測データが制御装置に送信され、室内の温度や湿度を制御して快適な環境に近づけることができます。

空調制御システムの機能

空調制御システムの機能には、主に次のものがあります。

  • 快適な室内環境の実現:空調は室内環境を快適にするため、人々の行動を妨げず、居心地の良い空間環境を提供します。
  • エネルギー利用の効率化:空調は電力で作動するため、利用すれば電力を要し、料金もかかります。空調制御システムでは無駄のない空調コントロールによる効率化を実現します。
  • 空調の管理・運用の効率化:空調制御の一元化と運用の効率化のための機能です。ビル内の空調を一括管理することで、個別の空調コントロールは不要になります。

空調制御システム(自動制御盤の様子)

空調制御システムの導入メリット

空調制御システムを導入することで、次のメリットが得られます。

空調管理・制御の効率化

ビル内に設置されている空調一つ一つを人が巡り、人の感覚で、また人の手で温度や湿度、換気などを行っていては、大きな負荷がかかり、コントロールにもばらつきが出てしまいます。空調制御システムがあれば、一か所で手間なく操作してコントロールが可能です。またセンサーで環境データを取得して計測し、空調制御を実計測値に基づいて実施することが可能になり、大幅な効率化を実現できます。

温度や稼働時間の最適化による省エネ効果

空調制御システムの電力エネルギー効率化の機能では、温度・湿度や空調の稼働時間を最適化することで、電力のムダを低減できるため省エネ効果が期待できます。またエネルギー利用を低減することで、CO2排出量低減につながり、温暖化防止に寄与します。

ビル内の快適性の向上

空調制御が適切に実施されたビルは、そこで活動する人々へ快適さを提供します。ビルの利用が促進され、オフィスであれば従業員の働く環境をより良くし、店舗であれば利用客や従業員が過ごしやすい環境を作り出せます。

コスト削減

空調制御システムは、コスト削減にも寄与します。空調制御の手作業の削減による人件費削減、制御担当者の工数削減、エネルギーコストの最適化などを通じてコスト削減につながります。

空調制御システムの中央監視システムとの連携の重要性

空調制御システムは、ビルの中央監視システムと連携させることで、より一層、管理の効率化を実現します。

空調制御システムと中央監視システムの連携性

中央監視システムとは、ビル施設にある空調設備、照明設備、電気設備、給排水・衛生設備、警備設備、防災設備など多様な設備の管理や制御自動化、監視、記録などの施設管理を行うための総合システムです。

この中央監視システムは、システムによっては空調制御システムと連携可能な場合もあり、実際に連携して運用されているケースも少なくありません。

空調制御システムと中央監視システムの連携メリット

空調制御システムと中央監視システムを連携させることで、次のようなメリットがあります。

・運用の一元化の可能性
中央監視システムと連携させることで、運用の一元化が可能になることがあります。例として、これまで空調制御システムのみの運用だったところ、中央監視システムと連携させることで、空調だけでなく照明や電気などの他の設備の状態監視や制御も可能になります。一つの管理画面で閲覧操作できる監視業務の効率化も可能です。

・遠隔メンテナンスが可能
空調制御システムに遠隔からメンテナンスする機能が備わっていなかった場合に、中央監視システムに備わるその機能を利用して空調制御を効率化できます。

空調制御システム選定・導入の成功ポイント

空調制御システムを選定する際のポイントと、導入の際の成功ポイントをご紹介します。

空調制御システムの選定ポイント

・導入コストが適切か
空調制御システムを導入する際には、予算に見合った導入コストである必要があります。まずは導入目的を明確にした上で、必要な機能が備わっているかを確認しましょう。そして予算に見合った機能性や性能を検討して最適なシステムを選定しましょう。

・操作性は良いか
選定時に操作性について妥協すると、意外と長期運用にあたってネックになりやすくなります。例えば操作画面が複雑で一定のトレーニングが必要になれば教育コストがかかってしまいます。できるだけ簡便なものを選ぶべきでしょう。
また遠隔で制御できない部分がある場合に、現場に作業員が赴いて作業するリソースが求められるため、コストが増してしまう恐れがあります。遠隔操作ができるかどうかという観点から見極めると良いでしょう。

・「VAV」と「CAV」の選び分け
空気制御のシステムは「VAV」と「CAV」の2種類に分かれており、それぞれメリット・デメリットがあるため、よく見極めて最適なほうを選定しましょう。

VAV:可変風量方式と呼ばれる方式です。ダンパーおよびファンの回転数の制御で風量を変えることで温度調整を行います。風量はCO2センサーや温度センサーでデータを取得できるので、リアルタイムでの制御が可能です。また省エネ性能が備わっています。

CAV:定風量方式と呼ばれる方式です。風量は一定のままですが、「送風の温度」を変えて温度調整するのが特徴です。制御方法はシンプルであるため、一般的にVAVと比べて低コストとなります。CAVもセンサーが備わるため、リアルタイム制御が可能です。

・デマンド制御の可否
空調制御システムの中には、デマンド制御という省エネ機能が備わるものがあります。これは30分間の消費電力の平均値であるデマンド値の目標値を設定し、超過しないように制御する機能です。デマンド制御機能をうまく利用すれば、使用する電力量を抑えることができます。

空調制御システム導入の成功ポイント

空調制御システムを導入する際の成功のポイントを解説します。

・省エネ効果の試算
空調制御システムを通じてエネルギー利用を効率化できることで、省エネ効果を実現できます。その効果試算をあらかじめ行うことができれば、大きな検討材料になるでしょう。

・運用目的の明確化
システム導入・選定前に、導入する目的を明確にすることをおすすめします。例えば、オフィスビルの入居者の快適性向上、運用管理のコスト削減、現地メンテナンスの負荷削減などが挙げられます。
このような目的を設定しておくことで、最適なシステム選定が実現し、無駄な投資を行うことが減るでしょう。

・導入前の現場における事前調査
事前に、現場での事前調査を行うことで、建物ごとに最適な制御方式がわかります。そのため、現場に訪問してくれる業者選定を行うのをおすすめします。

・導入後の定期メンテナンスへの考慮
導入後、システムが無事に運用できても、今後、定期的なメンテナンスを考慮する必要があります。メンテナンス頻度や内容などをよくヒアリングしておき、運用負荷低減を目指しましょう。

・専門家のサポートを受ける
導入・運用に際しては、事前調査も含めて、空調制御システムに詳しい専門家のサポートを受けるのもおすすめです。より最適な空調制御システムが見つかるでしょう。

まとめ

空調制御システムの概要から導入・選定のポイントまでご紹介しました。空調制御システムは空調制御を効率化し、快適な環境を作り出すのに役立ちます。

三機工業では、多様な空気調和設備を取り扱っており、空調制御システムも合わせてご提案可能です。事前調査なども可能であり、貴社に最適なシステム選定をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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