これからオフィス移転や新規構築を行う企業にとって、内装工事や電気工事などの手配は欠かせず、重要な項目の一つです。その中でもLAN・情報配線工事はネットワーク環境を整えるのに必要不可欠です。単純なように見えて、実はさまざまな注意点があるため、事前に押さえておくことで適切に環境を作ることができ、またスムーズに工事を進められます。
そこで今回は、オフィスのLAN工事の概要から重要な理由、LAN工事で失敗しないために押さえるべきこと、依頼時のチェックリストなどをご紹介します。
まずはオフィスのLAN工事の基本から押さえておきましょう。
オフィスのLAN工事とは、オフィス内に「LAN=Local Area Network」を構築する工事を指します。
LANとは構内ネットワークのことで、オフィス内のパソコンやルーター、サーバー、プリンター、複合機などのネットワークにつながる機器同士をつないで構築します。構内ネットワークを構築することで、パソコンから操作すればコピー機による資料印刷や、データのサーバー保存などが可能になります。
このように、オフィスのLAN工事はオフィスとして稼働するために必要な「インフラ環境」を構築する重要な工事です。
オフィスのLANには、有線LANと無線LANがあります。
有線LANは、LANケーブルを用いてネットワークを接続する方法で、壁面や配管に通して設置します。使用するLANケーブルが多い場合には、ハブという中継装置を配置することもあります。
一方、無線LANは、LANケーブルを使用せず、Wi-Fiなどの無線通信を利用して電波で接続する方法です。Wi-Fi機器とルーターをLANケーブルでつなぐ必要があるため、一部有線LAN工事が必要です。
続いては、オフィスのLAN工事が重要な理由をご紹介します。
オフィス内でLANを利用するには、パソコンなどの端末と、壁面などに設置したLANポートをLANケーブルで接続します。しかし既存のオフィス設備ではLANポートが足りなくなることがあります。特に増員やレイアウト変更時には不足することがあり、LAN増設工事が必要になります。
LAN工事は、乱雑な配線を整理し、管理しやすくするのに欠かせません。配線が整っていないと社員の作業動線を妨げてしまったり、引っかかってつまずいてしまうなど事故が起きてしまったりする恐れがあります。
適切なLAN工事はオフィスの健全かつ安全な運用のためにも重要です。
事業を進めるにあたっては、通信規格の刷新などを行い、より高速・高性能な環境を構築することもあります。またLAN機器の耐用年数が経過し更新時期が訪れたり、アップデートが行われたりするタイミングでは、更新のためのLAN工事が必要になります。
将来的に、企業成長や事業規模拡大、統合・合併などの予定がある場合は特に、それを見越してLAN環境についても拡張しやすい配線設計を準備しておく必要があります。LAN工事には、将来のための備えとしての意味合いもあるのです。
オフィスの移転や新設プロジェクトを進める中で、LAN工事は後回しにされがちです。そのため、工期に間に合わない・品質が妥協せざるを得ないといった失敗が起きやすい工事でもあります。
プロジェクトの初期段階からLAN工事を計画に組み込むことが、失敗を防ぐ最大のポイントです。ここでは失敗しないために特に留意しておきたいポイントをご紹介します。
LAN工事において見落とされがちなのが、資材調達のリードタイムです。特定メーカーの機器・資材は調達に4~5ヶ月かかるケースがあります。設計も含めるとオフィス稼働予定日の1年前には動き始めることを推奨します。
稼働直前に動き始めても間に合わないケースがあることを念頭に置いてください。
LAN工事の発注前に以下を整理しておくことで、工事がスムーズに進みます。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 端末数 | 接続するPC・電話・複合機等の台数と設置場所 |
| 将来の増員計画 | 増員を見越したポート数の確保 |
| ネットワーク設計 | VLAN(*)構成・セグメント設計(社内IT担当または設計会社が担当) |
| 建物仕様 | OAフロア・天井裏・壁内配管の有無 |
| 他工事との工程 | 電気工事・内装工事との工程調整 |
*Virtual LANの略。スイッチ内部で複数の仮想ネットワークを構築する技術。
工事を任せる業者選定も重要です。失敗しないために以下の項目は特に重視して選びましょう。
施工品質を数値で証明できるか
どれだけ経験豊富な業者でも、施工品質が数値で証明されなければ意味がありません。施工後は全ポートに対して「Fluke Networks製テスター」による認定テストを「ISO/IEC 11801」または「ANSI/TIA-568」の規格に準拠して実施し、結果をレポートとして納品してくれる業者を選びましょう。施工品質の担保につながります。
竣工書類が完全か
稼働後の運用・増設・改修を見据えると、竣工書類の完全性が重要です。以下の4点が揃っていることを契約時に確認してください。
オフィス工事の実績があるか
業者選びで見落とされがちなのが、建物への精通度です。同じビルや類似した建物構造での施工経験がある業者は、配線ルートや建物の制約を熟知しているため、工事がスムーズに進みやすいでしょう。特に大型オフィスビルでは、同じビルでの施工実績があるかどうかを確認することをおすすめします。
オフィス構築時に合わせて検討すべき重要な設備の一つが「UPS(無停電電源装置)」です。
UPSは、停電・瞬断時にサーバーやネットワーク機器への電源を維持することで、データ保護と業務継続を実現します。
LAN工事とは別途、検討が必要な設備ですが、情報配線工事とあわせて同じ窓口で対応できる業者に依頼することで、やり取りがシンプルになります。
LAN工事の前には次のチェックリストでチェックしましょう。
| カテゴリ | チェック項目 |
|---|---|
| タイミング | 稼働1年前には動き始めているか |
| 資材調達 | 特定メーカーの資材納期を確認しているか |
| 端末数・配線要件 | 将来の増員も含めて整理できているか |
| 施工品質 | 全ポート認定テストを実施しているか |
| 納品物 | テストレポート・台帳・竣工図面・材料リストが揃っているか |
| UPS | 導入検討と調達・施工を一括で依頼できる業者を選んでいるか |
オフィスのLAN工事は、日々の業務を支える重要な基盤です。適切な設計と施工により、快適で安全な通信環境が実現するでしょう。
LAN工事は、実績のある専門事業者に相談することが重要であるとともに、特にビジネス目標に関して伴走支援する事業者を選定することをおすすめします。
LAN工事をはじめ、オフィス移転や構築時にお困りの際には、三機工業にお任せください。
三機工業は、外資系グローバル企業および国内金融機関を中心に、オフィスの情報配線工事を多数手がけてきた専門会社です。セキュリティ要件が極めて厳しい金融機関や、グローバル標準の品質基準を求められる外資系企業から継続的に選ばれてきた実績が、施工品質を示しています。
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