三機工業株式会社

ニュースリリース

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クリーンルーム向け省エネ空調システム「DOUP(ドゥーアップ)」を開発
-夏期ピーク時も設備動力を削減。年間削減効果40%-

2018年4月26日

 三機工業株式会社(社長:長谷川 勉)は、クリーンルーム内の気流を最適化した省エネ空調システム「DOUPTM(ドゥーアップ)」を開発しました。
 この空調システムは、当社がこれまでに培ってきたクリーンルーム設計施工のノウハウを活かし、クリーンルーム内の生産装置の稼働状況をもとに、高い清浄度が要求されるオペレーションエリアと、生産装置発熱が大きいメンテナンスエリアとを、それぞれ適した方法で空調することに着目した技術です。
 冷水温度の最適化により夏期ピーク時の設備動力削減が図られ、様々な省エネ手法との組み合わせにより、従来のクリーンルームと比べ、年間約40%の冷熱源動力を削減できます。

 ●これまでの『流れ』を変える『DOUPTM(ドゥーアップ)』
 半導体前工程クリーンルームは、間仕切りのない大空間に生産装置を配置する「ボールルーム方式」が一般的です。除塵・冷却された高清浄度の空調空気は、天井面に均一に配置されたファンフィルタユニット(FFU)によって、各エリアに分配供給されます。製品を取り扱う生産装置前面のオペレーションエリア、および装置本体が設置されているメンテナンスエリアで、それぞれ清浄度の維持と熱負荷処理が同時に行われ、合流し冷却後、レタンスペースを介して再びFFUに供給されます。
 『DOUPTM(ドゥーアップ)』はこの空気の流れに着目した技術です。
 DOUPTMでは、まずオペレーションエリアに対して集中的に清浄空気をFFUで供給し、エリア全体の清浄度を確保します。次に、この空調空気をメンテナンスエリアへ供給し、生産装置の冷却に使います。両エリアは生産装置上部高さまでの垂れ壁で、簡易に仕切られます。この結果、オペレーションエリアにダウンフロー(DOWN FLOW)とメンテナンスエリアにアップフロー(UP FLOW)を形成し、除塵・冷却された空調空気を効率的に使うことが可能となります。

 

 ●『DOUPTM(ドゥーアップ)』の特長
1.クリーンルームの省エネ運用
 DOUPTMでは、発熱負荷の少ないオペレーションエリアにまず空調空気を供給し、その後発熱負荷の多いメンテナンスエリアで温まった暖気を上部に溜めて排出します。オペレーションエリアの吹出空気温度は20℃程度となり、高温冷水系統の温度を15℃まで上げることができます。冷凍機を効率よく運転することが可能になるとともに、排熱回収などの省エネ手法との相乗効果が高まることから、低温(6℃)単一熱源方式の場合と比較し年間の冷熱源動力を大幅に削減できます。

2:製品への汚染リスクの低減
 DOUPTMでは、オペレーションエリアで強い下降流となるため、作業員から装置への水平方向の塵埃拡散が抑制されます。一方でメンテナンスエリアでは上昇気流となり、装置メンテナンス時に、作業員から装置内部への下方向の塵埃拡散を抑制します。

3:フロア面積の有効活用
 DOUPTMでは、冷却に必要なコイルが天井エリアの壁面に設置されるため、レタンスペースが不要となり、フロア面積を有効に活用できます。

●今後の展開
 現在、1件の半導体工場前工程クリーンルームへの採用が決定しており、また複数案件について提案を行っています。今後、クリーンルームの新しい省エネ技術として積極的に営業展開してまいります。

 


 

 

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