オフィス移転は大掛かりなプロジェクトとなるため、コストがかさんでしまうことがあります。しかし、ビジネス目標の達成のためには、大きな変革が求められます。未来への投資としてまた企業の成長戦略としてオフィス移転は重要な取り組みです。
その重要な取り組みのコストを少しでも低減するために、国や自治体の補助金・助成金を利用することも有効です。
そこで今回はオフィス移転に利用できる補助金や助成金の制度をご紹介します。また、申請時の注意点やステップについても併せて概要をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
オフィス移転の補助金・助成金とは、オフィス移転に伴う内装工事費や設備導入費、システム構築費などに利用できるものです。補助金や助成金を活用することで、数百万円単位のコスト削減につながることがあります。オフィス移転に使える補助金や助成金は主に国や自治体が制度として設けており、さまざまなものがあります。
ここで注意しておきたいのが、移転先のオフィスを契約するときの敷金・礼金や、引っ越し代などの運搬費は対象外となるケースが多いことです。一般的に、対象となるものと対象外となるものをまとめましたので、参考にしてください。
| 経費項目 | 一般的な補助金の判定 |
|---|---|
| 内装工事・パーティション工事等 | 〇対象になりやすい |
| PC・サーバー・ITシステム購入 | △汎用性が高いと判断されると対象外 |
| オフィス家具・家電等の高額な設備 | △汎用性が高いと判断されると対象外 |
| 敷金・礼金・仲介手数料 | ×原則対象外 |
| 荷物の運送代・引っ越し代 | ×原則対象外 |
補助金や助成金と聞いて、それぞれどのような違いがあるのか気になる方もいるでしょう。どちらも申請後、要件を満たしたり、審査に通過したりした後、条件に基づく取り組みをすることで、国や自治体から支給される返済不要の資金です。
ただし、助成金は基本的に厚生労働省が管轄するもので、雇用の安定や創出、人材育成といった労働環境の改善を目的に設けられている制度です。要件を満たすことで比較的受給しやすいといわれています。
一方、補助金は主に経済産業省や地方自治体等が管轄するもので、国の政策の目標を達成するために設けられている制度です。助成金とは異なり、審査があるので、採択のハードルが比較的高めとなります。
オフィス移転を進める際に使える補助金や助成金には、さまざまな目的のものがありますが、主に次のような目的の事業があります。
・働き方改革・テレワーク推進
オフィス移転は新たな働き方を推進する大きなきっかけになることもあります。多様な働き方を推進する働き方改革、テレワークの一環としてオフィス移転などの際に発生するシステム機器の導入費などに利用できる事業があります。
・持続的な経営促進
事業承継や経営革新など、持続的な経営を促進するための事業において、必要なオフィス拠点の変更などに伴う設備費用などが補助されることがあります。
・ITツール導入促進
オフィス移転に伴い、システムやネットワークの刷新を行う場合は、ITツール導入促進の補助金を利用することもできるでしょう。
・地方拠点強化
地方へのオフィス移転の場合は、地方へ進出するのを促進する事業を活用することもできます。地方の過疎化が進む中、地方都市への企業立地の促進や、産業復興などを通じて、地域創生を進めるための事業となります。
オフィス移転に利用できる可能性のある、補助金・助成金の具体的な制度をご紹介します。
ただし、これらは企業によっては、またオフィス移転の目的によっては利用できないこともありますので、実際に要件に合うかどうかなどは最新情報を確認してご検討ください。
小規模事業者が経営の見直しや、持続的な経営を志す際に、その費用を支援する事業です。働き方改革や生産性向上に関わるオフィス移転の場合には、補助事業を進める上で必要な機械装置等の導入費として利用できる可能性があります。
ただし、機械装置等であっても、単なる古くなったものの入れ替えなどを目的とする場合は対象外となりますので注意しましょう。
中小企業が事業承継や引き継ぎ、M&Aなどを進める際に、その経費の一部が補助される事業です。事業承継や引き継ぎの際にオフィス移転が不可欠である場合に、それに伴い発生する経費に対して利用できる可能性があります。
中小企業が経済社会の変化に対応するために、新市場進出、事業・業種転換、事業再編、国内回帰などの事業再構築に挑戦するのを支援する制度です。新分野への転換などの事業再構築に際して、オフィス移転が必要である場合に、建物の改修費用や機械装置・システムの構築費などを対象に補助を受けられます。ただし、単なる引っ越しを目的としたオフィス移転や、古くなった建物のリフォームなどは対象外となるため注意しましょう。
中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際の経費の一部を補助することにより、課題解決に伴う業務効率化や売上向上などをサポートする補助金です。オフィス移転に際して、新しいシステムを導入したいといった場合に利用できる場合があります。
東京都が創設する助成金制度で、都内の企業のうち、これから創業する予定の個人または創業してから5年未満の中小企業を対象に、賃借料や器具備品の購入費、専門家、指導費などの助成を行います。
厚生労働省が創設する非正規雇用労働者のキャリアアップを促進することを目的とした助成金です。オフィス移転とはあまり関わりがないように見えますが、オフィス移転に伴って、人員増員を進める際に、有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者などを正社員として雇ったり、処遇を改善したりすることで利用ができる可能性があります。
上記でご紹介した内容はあくまで参考情報としてお取り扱いください。また検討・申請の際には、必ず公式サイトなどの最新情報を参照してください。
オフィス移転に際して、補助金や助成金などの申請を行いたい場合には、失敗を防ぐためにも、次の注意点を押さえておきましょう。
補助金や助成金制度は細かに要件が定められているため、自社が実際に要件に適合しているかを入念に確認する必要があります。また、申請も規定通りに行う必要があるため、正確な把握と適切な対応を心がけましょう。
特に補助金制度は期間も短いことが多く、随時情報が追加されることもあるため、最新情報を確認する体制づくりが重要です。利用したいと思っていても期限が過ぎてしまっていたなどの失敗は少なくありません。制度を利用したいと思ったタイミングで、日々公式サイトを確認するなど万全の体制を整えましょう。
補助金や助成金制度は、原則、指定の事業を実施するなどした後に支払われるのが一般的です。そのため、オフィス移転の前に受給できると思って計画してしまうと資金不足となってしまうため、充分注意しましょう。あらかじめ資金の調達先を確保してからプロジェクトを開始する必要があります。
補助金や助成金制度は受給したら終わりではありません。ほとんどの場合実績の報告や、必要書類を提出する必要があるなど、受給後の対応が求められることがあります。そのことを踏まえてどのような対応が必要かしっかりと確認しておきましょう。
実際にオフィス移転の補助金・助成金の活用を進めるためのステップをご紹介します。
1.情報収集・選定
まず補助金や助成金の中でもオフィス移転に利用できるものを見つけましょう。国や自治体、商工会議所などの公式サイトで最新の情報を確認することが大切です。
それぞれの補助金や助成金制度の要件を確認し、自社が満たしているかを入念にチェックしましょう。
2.申請準備
要件を満たしているとわかれば、社内で協議し申請するかどうかを決議します。申請が決まったら必要書類等を準備しましょう。提出書類は規定のテンプレートが用意されていることがほとんどなので、それに沿って項目を埋めていきます。提出期日が設けられていることが多いため、できるだけ早期に対応し、不備のないようにすることがポイントです。
3.申請・審査
申請をした後は審査を受けます。審査結果が出るまでに一定期間がかかります。
4.交付決定・事業実施
交付が決定したら、実際に該当の事業を実施します。その際にオフィス移転も進めます。後日、実施報告をするために記録を残し、要件に沿った取り組みを進めましょう。
※交付決定前、つまり交付決定通知が届くまでに契約・発注・支払いを行った費用は、一切補助対象になりません。実際に、交付決定前に業者へ発注してしまうミスが多発しているため、発注時期には細心の注意を払いましょう。
5.実績報告・受給
オフィス移転が完了し、事業が終わったら実績を報告するために報告書を取りまとめるなどして提出します。その後、問題なく承認されれば補助金や助成金を受給できます。
このように一連の流れはとてもシンプルなものですが、いざ自社で実施するとなると、負荷が高かったり、思うように進まなかったりすることもあるかもしれません。その際には専門家に相談するのも一つの方法です。
また、オフィス移転の専門家にサポートしてもらうことで、補助金や助成金制度に沿った適切な活動や実施報告もスムーズにいくのではないでしょうか。
オフィス移転は経営戦略のために進められることが多く、必要不可欠なことが多いです。しかし、コストが膨大になりがちなため、補助金や助成金を利用して少しでも負担を抑えることがポイントです。各補助金や助成金制度の目的や意図を正確に理解し、最新情報を確認した上で、抜け漏れのない申請を進めましょう。
今回ご紹介した補助金・助成金制度についての情報はあくまで一般的な参考情報となります。検討・申請の際には、必ず公式サイトなどで最新情報に当たってください。
補助金や助成金事業に沿ったオフィス移転を進めるためには、オフィス移転そのもののスムーズな実施も重要です。
オフィス移転に関して何かお困りのことがございましたら、三機工業にお任せください。ファシリティマネジメントサービスでは、オフィス構築・移転からレイアウト変更まで、ワンストップでサポートしております。コンサルティングサービスからプロジェクトマネジメントサービスまで、幅広くご対応可能です。お気軽にお問い合わせください。
【関連リンク】
ファシリティマネジメントサービス